フェスタサマーミューザ KAWASAKI
フェスタサマーミューザKAWASAKI2021@最終日での交響曲第2番〈地球にて〉の演奏に立ち会う。演奏は、原田慶太楼指揮東京交響楽団。
交響曲を書いて、生きている間に演奏され、CD録音もされ、さらに歳を重ねて若い世代の演奏家達によって演奏されるのを聴くことが出来る…というのは作曲家にとって究極の夢。多くの先達たちが夢を果たせず無念の念を抱いたまま亡くなった死屍累々の世界であり、私も正直言って1㍉も期待どころか空想すらしていなかったのだが…夢はごくごくたまに神の気まぐれで叶えられる・こともあるらしい(笑。
ちょうど30年前(1991年)の作品になるが…当時の世界は、ソヴィエト連邦が解体し東西ベルリンを隔てる壁が消滅し湾岸戦争が始まりアパルトヘイトの撤廃が叫ばれ日本は昭和から平成の世になった頃。現代音楽が調性を取り戻し始め、コンピュータやネットが世界を変え始める前夜である。古い秩序が崩壊し新しい世界に変貌を遂げるために多くの人たちが命を落としたが、その鎮魂の歌は哀しみ嘆くだけではなく、新しい世界を称える頌歌でありたい。…そう願った夢を30年ぶりに思い出した。
若きマエストロと東京交響楽団が紡ぎ出す熱気溢れる熱い音楽と4つの鎮魂の夢。そして聴衆からの温かい拍手の嵐。ひたすら天に感謝。そして、地にも人にも…。