シューベルト@ピアノ協奏曲
東京シティフィル第67回定期演奏会で、シューベルト(吉松隆編)ピアノ協奏曲の世界初演に立ち会う。
初演…というと多少なりとも緊張するものだが、今回はそもそも私ではなくシューベルト氏の作品。田部京子さんの美しいピアノの音に導かれ、全てが穏やかに自然に、清流が流れる如く音が立ち上がり揺らぎ歌われ、耳なじみの美しい旋律やフレーズが次から次へと登場しオーケストラと融け合って心に染みる。(ピアノはベーゼンドルファー。偶然にもこの曲が書かれた年1828年にウィーンで生まれた会社の楽器だ)
曲が終わったあと握手を受けて(シューベルト氏に代わって)舞台に上がり、何度もカーテンコールを受けたが、演奏者も指揮者も開口一番「楽しかった」と微笑んでくれたのが印象的だった。シューベルト先生、ブラボー!
ちなみにこの曲、もともとは天国のシューベルトと田部京子さんへの個人的なギフト(供物)として書かれたもので、演奏することを前提としていなかった…というより、むしろ聴衆の前に晒したくなかった…という方が近い。言ってみればピラミッドの中に封印して後世の目に触れないようにした宝物のようなものなのだが、今回その封印が解かれて音になってしまったわけで。まあ、長く生きていると色々なことがあるものである(笑。
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