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2022年9月

2022年9月29日 (木)

秋のコンサート情報

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10月15日(土)トロンボーン協奏曲〈オリオンマシーン〉
初演者 箱山芳樹氏によるひさしぶりの演奏。山下一史 指揮 千葉交響楽団 @ 千葉県文化会館。**

10月30日(日)アトムハーツクラブ組曲第1番/第2番/第3番
プログレ系のバンドが集結した企画コンサート「新未来派」にて。演奏は(N響のメンバーによる)アトムハーツクラブ・アンサンブル@ GARDEN新木場FACTORY。第3番は今回が初披露。***

11月04日(金)ピアノ協奏曲〈メモフローラ〉
BBC プロムス JAPAN/Prom4。p:角野隼斗/米田覚士 指揮 東京21世紀管弦楽団 @ Bunkamuraオーチャードホール ****

2022年9月26日 (月)

・・・余談・・・

Worksw 昨日のプログラム・についての余談・・

最初の曲〈チカプ〉は、まだ現代音楽に両足突っ込んでいた頃の初期の作品で、原曲のフルートオケ(フルート15本!)の元のスコアは完全にシュトックハウゼンやペンデレツキばりの図形楽譜(それでも♯♭なしの旋法で書いてあるので響きだけはきれいなのだが)。それを20年ほど経ってから小編成の通常オーケストラ用にちゃんとした拍節付きのスコアとして書き直したものの、「余計なことをして」とか「改悪」とか指弾され、まったく実演の機会がなかった落ちこぼれの作品。

次の〈チェロ協奏曲〉は、初演以降20年近く誰も演奏してくれず、自分でも昔の録音を聴いてあまりの支離滅裂さに「これは埋めてしまおう」と密かに決意していた曲。父親が死んで直後に書いた作品なので、色々な思い(悲しいことや楽しいこと、子供の頃の記憶や暗い記憶)が未整理のまま並列しているせいもあるだろうか。数年前に藤岡マエストロが「宮田さんという凄いチェリストがいるので今度再演したい」と言ってくれた時も「あんまり気が進まない」と言って白けさせてしまった記憶がある。

最後の〈カムイチカプ交響曲〉に至っては、初めて「交響曲」を書いてもいいという機会をもらって20分くらいという注文だったのに延々45分かかる巨作を書いてしまい、しかも現代音楽のコンサートなのに調性鳴らしまくりビート叩きまくりメロディ歌いまくりで、業界からは「なかったこと」にされ作家としても完全無視されるきっかけになった曲。(初演の時、聴衆から温かい拍手をもらいながらも)「おそらく音で聴くのはこれが最初で最後だろうなぁ」と思っていた鬼っ子中の鬼っ子。

それが三作、一晩のコンサートで一堂に会したわけだが、上記の理由で、自分自身では怖ろしくて絶対選曲しなかったであろう組み合わせ。「名曲全集」と謳ってくれたのは嬉しいが、私の中では「鬼っ子作品選」という感じで、どうなるか内心ビクビクものだった。

Traumaw しかし、今回、原田マエストロの見事な指揮と宮田大氏の聞き惚れるような熱演、そしてオーケストラの方々の共感溢れる名技に支えられ、コンサートとして成立してしまったのは…感激とか嬉しいとか言うより驚きの方が大きい。
聴衆の方々も(おそらく私の名前すら知らず間違って聴きに来てしまった人も多かっただろうに)普通に音楽として楽しんで聴いてくださった様子にホッと胸をなで下ろす。
音楽とは…そして人生とは、分からないものだ。

2022年9月25日 (日)

ケンタウルスとチカプたち

220925ミューザ川崎でのオール吉松隆プロに立ち会う。

・チカプ
・チェロ協奏曲〈ケンタウルス・ユニット〉vc:宮田大
・カムイチカプ交響曲(交響曲第1番)
原田慶太楼 指揮 東京交響楽団。

若い世代の指揮者・演奏家・オーケストラによる渾身の演奏で自分の作品を聴ける…というのは、本当に作曲家冥利に尽きる。そして生の演奏で音楽のシャワーを全身に浴びる快感も改めてひさしぶりに体感した気がする。

今回は特にリハーサルから細かく音色やニュアンス(こればかりは楽譜には書けないのである)について指示させてもらったこともあって文字通り「言うことなし」の出来。

入魂かつ超絶きわまる演奏を聴かせてくれた宮田大氏、色彩豊かな響きを作り上げてくれたオーケストラ、そしてオモチャ箱を引っ繰り返したような雑多で混淆した世界を見事な手腕でひとつにまとめてくれた原田マエストロに感謝。

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2022年9月21日 (水)

リハーサル

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リハーサルの立ち会いにミューザ川崎へ。 詳細→***

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追記:今回ひさしぶりに生で聴くカムイチカプ交響曲(交響曲第1番)。32年前の1990年、36/7歳の頃に書いた最初の交響曲だが、指揮の原田慶太楼さんもチェロの宮田大さんも今ちょうどその頃の私と同世代(いわゆる「タメ」)。

現実には親父と息子という世代差なのだが、それが30年以上の時を隔てて同じ舞台で作品を共有するというのは・・不思議で奇妙で希有な・・まるでタイムトラベル的な世界に迷い込んだような・・奇跡かも知れない・・・

2022年9月10日 (土)

京都とヘビメタとドヴォルザーク

Kyotocon拙作〈アメリカ Remix〉エレキギター版の初披露を聴きに京都へ出向く。

ジャズピアノの国府弘子さんがガーシュウィンやチックコリアを、メタルバンドのヴァイオリニストJillさんがカルメン幻想曲を、そしてロックギタリストのマーティ・フリードマン氏が〈アメリカ〉をそれぞれオーケストラと共演する異種格闘技的なコンサート。演奏は、出口大地氏指揮京都市交響楽団。

〈アメリカ〉は元々はドヴォルザークが「新世界交響曲」に続いてアメリカで書き上げた弦楽四重奏曲だが、室内楽コンサートで演奏されるだけでは勿体ない!とピアノとオーケストラのためにアレンジ(Remix)し、2010年3月に〈タルカス〉と同じコンサートで初披露した曰く付きの作品。

個人的には物凄く好きな作品なのだが、〈タルカス〉の影でさほど話題にもならず再演にも恵まれずだったのだが、今回突然京都市交響楽団から「エレキギターで弾いても良いですか?」という問い合わせ。しかもギターはマーティ・フリードマン氏だというので快諾。

Kyotorock

氏はそもそも「タルカス」が「題名のない音楽会」で紹介された時(2011年2月)にゲストとして一緒に舞台に上がったギタリスト(その時はラフマニノフのピアノ協奏曲をエレキギターで弾いていた!)。ヘビーメタルバンドのギタリストとして世界的な有名人なのだが、日本好きが高じて現在は日本在住。「タルカス」繋がり?の不思議な縁である。

今回は、私がピアノとオーケストラのために書いたスコアを元に、ピアノのパートをギターで自由にアレンジしながら弾くという試み。
実を言うとどんな響きになるのか、私自身想像が付かなかったのだが、ドヴォルザークの旋律がこんなにヘビーメタル風エレキギターのサウンドに合うとは!と驚きの連続だった。特に第2楽章などはギターの「泣き節」があまりにはまっていて終始鳥肌が立ちっぱなしだった。

オーケストラは古典的な二管編成なので、キイボードとドラムスでも入れたら?という提案もしていたのだが、少しPAを加えたぐらいでフィナーレではロックコンサートに負けない熱狂も。恐るべしドヴォルザーク。

終演後、夜の京都の空には中秋の名月。
観月祭では雅楽が流れ、月を愛でる。
不思議なところだ。京都というのは。

 

 

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