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交響曲第6番〈鳥と天使たち〉@横浜みなとみらいホール。演奏は原田慶太楼指揮日本フィル。
日本フィルは、1981年〈朱鷺によせる哀歌〉を山田一雄指揮で初演してもらい作曲家として本格的デビューさせてもらった縁の深いオーケストラ。その後1986年に「日本フィルシリーズ」の委嘱をもらって〈鳥たちの時代〉を作曲し、生涯にわたる《鳥のシリーズ》が始まった。今回、42年の時空を超えた最後の「鳥」?を聴きながら色々な感慨が心をよぎる。
P.S…マエストロ原田の「一人で勝手にヨシマツ交響曲チクルス」次回は6月16日(金)関西フィルで〈交響曲第3番〉。6月9日(金)はこの曲を献呈したマエストロ藤岡による本家第3番@東京シティフィル。(ちなみに本日4月22日、関西では〈サイバーバード協奏曲〉…ダイバースアンサンブル@キセラ川西…も)
余談ながら、気がついたらこのBLOGのカウンターが300万を超えていた。長年のご愛顧に感謝。
「マーマレード回路」が収録されたCD「音の始原を求めて-10」大石満 鈴木浩一の仕事@NEW WAVE(*)届く。
40年前(1984年!)NHKの電子音楽スタジオで計8名ほどの制作スタッフと一緒に丸一年間の超アナログ作業で作り上げながらあまり気に入った出来ではなく作品番号も付けず作品リストにも載せていなかった全5パート16分ほどのテープ音楽…なのだが、今回、当時制作された作曲家諸氏(近藤譲・助川敏弥・坪能克裕)の作品と一緒に掘り起こされ復活CD化されることになった。
タイトルの「マーマレイド回路」というのは「オレンジ(生音)を入力すると、マーマレイド(加工された音響)が出力される」という架空の音響回路。要するに電子音楽スタジオを、そういうSF(少し不思議)な音を作る「回路」に見立てた作品で、元々はシュトックハウゼンの名作「少年の歌」(1956)に対して「少女の歌」というパロディ的なアイデアから生まれたもの。音の素材は女の子の声と鈴とピアノで、最初は「人工子宮管の中の娘によせる発声法のエチュード」あるいは「電動式アリス」と呼んでいた。
制作当時は既にデジタル黎明期(CD登場が1982年)だったが、基本はすべてが指先頼りのアナログ作業。ずらっと並ぶテレコ(当時はすべてオープンリールのテープレコーダー。10台ほどあったろうか)で「ぴ」「ぽ」「ぱ」「ぷるん」などという子供の声を録音したテープを切り貼りしてループにし「あぶくの対位法」を試みたり(今だったらヴォーカロイドのアプリで簡単に作れそうだが、当時は半年かかった)、テープ音楽なのに音の並びは自然倍音やモード(旋法)にこだわったり、あぶくだけで「ケチャ」を踊らせたり…とかなりヘンなノリ(「実験」と言うより完全に「遊び」)で作っていた記憶がある。
ちなみに、80年代当時のロリコン・オタク文化と微妙にリンクしている(ような気がする(笑。
CD古希コンサート(仮)ブックレット用に原田慶太楼氏と対談&インタビュー。聴き手:小室敬幸氏。
交響曲第3番・タルカス・鳥のシンフォニア・鳥は静かに…それぞれの曲や演奏の裏話など。CDは2枚組で6月頃発売予定。
このあと今月22日には横浜(日本フィル横浜定期)で交響曲第6番。6月9日には藤岡幸夫指揮で第3番(東京シティフィル定期)、16日には関西フィルで第3番…と交響曲祭り進行中(笑