The 箏 KOTO
すみだトリフォニー(小)ホールへ〈The 箏 KOTO〉を聴きに行く。
中能島欣一・長沢勝俊・沢井忠夫といった現代邦楽の礎を造った名匠たちの作品から、松村禎三師が1970年の大阪万博のために書いた古典的佇まいの〈詩曲第1番〉(尺八と箏)、私が吉村七重さんの二十絃箏のために書いた現代的な旋法と変拍子による〈すばるの七ツ〉(1999)と、20世紀の箏の音楽を俯瞰するコンサート。
古典的な邦楽の時代は勿論「毛筆」によるアナログ世界だが、現代は「携帯やタブレット端末」を駆使したデジタル&AIの世界。その狭間にあたる戦後の60年間は…ペンで書いたり鉛筆で書いたりワープロで書いたりパソコンの打ち込みで書いたり…書式が定まらないまま模索と試作に明け暮れた時代。今回演奏された6作品は(もちろん私の作品も含めて)まさにそんな時代に産み落とされた玉石混淆さが20世紀風(笑。
私にとっては懐かしい時代ではあるのだが、これが後世どう体系づけ分類され回顧され残ってゆくのか…楽しみなような不安なような。
出演:吉村七重/福永千恵子/深海さとみ。客演:藤原道山/坂田梁山(尺八)、田村法子(二十絃)。
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