チェロ協奏曲の夢
宮田大氏によるチェロ協奏曲〈ケンタウルス・ユニット〉のCD用音源を聴く。
この曲、2003年にBBCフィルのトップPeter Dixon氏のために書かれ、藤岡幸夫氏の指揮で大阪と東京で初演され同年イギリスでCD録音されたものの、その後演奏されることはなく、私自身の中では何となく「失敗作」として忘れかけていた異端の曲。
初演から20年近くたって藤岡幸夫氏から「宮田大という凄いチェリストがいるので、ぜひ再演したい」と言われたとき、「あの曲は破棄したいと思っているんだけど」と呟いてしまったほどだ。
しかし、その宮田大氏による再演(というより蘇演)は、書いた私自身も「こんな曲だったのか!」と驚く素晴らしい仕上がり。めまぐるしく変化する楽想のひとつひとつを丁寧に磨き上げた繊細かつ豪放な演奏で、作品は(文字通り)新たな生命を吹き込まれ「破棄」を免れることになった。→当時の記事はこちら。
今回のCDに収録されたのは、その蘇演の半年後(2022年9月25日)に行われた原田慶太楼指揮東京交響楽団@ミューザ川崎における(既発売のCD交響曲第1番〈カムイチカプ〉と同じ日の)演奏。併録はチェロとピアノのために編曲した「4つの小さな夢の歌」。3月に日本コロムビアより発売される予定。乞うご期待。
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