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市民講座「人間を考える〜聴くということ〜」@NHK文化センター青山教室
・音楽家にとっての「聴く」ということ
・西洋と東洋(あるいは過去と現代の)「聴く」の違い
・そもそもヒトにとって「聴く」とは何か(〜音楽の誕生)
という3つの視点から90分ほど話す。
放送は12月8日(日)20時・再放送15日10時(予定)NHKラジオ第2。聞き逃し配信あり
エンター・ザ・ミュージック(BSテレ東/土曜日朝08:30放送)収録。今回は〈ショスタコーヴィチ:交響曲第10番〉について。MC:藤岡幸夫/狩野恵里アナ
この曲、高校生の頃にスコアに出会って以来、魅せられ続けてきた興味の尽きない作品。私の生まれた年に書かれていて、ファウスト譚が組み込まれ(自身をファウストに、スターリンをメフィストに準えている)、さらに自分の名前の署名(DSCH)と女性の名前(EAEDA)が暗号化されている。20世紀の壮大な叙事詩であると同時に、極めて個人的な独白でもある不思議な交響曲だ。
2023年12月の国立音楽大学オーケストラ定期演奏会(指揮:藤岡幸夫)での演奏を聴きながら、前後編2回にわたって、この謎多き作品について解説する。
放送は11月中旬頃の予定。
NHK市民講座:人間を考える「聴くということ」
10月23日(水)15:30より
シャリーノ「ローエングリン」を見に(聴きに)@神奈川県民ホールへ。
白鳥の騎士の妻エルザ(女優)が一人で演じる現代オペラ。20人近いオーケストラ(+男声3人)が伴奏するものの、歌や音楽の要素は皆無で(しかし全て楽譜に書かれている!)、水の音や衣擦れや風の音のような謎の音響と言葉の断片のみが浮遊する60分。
とは言え、意外と正統的なイタリアオペラの「狂乱の場」(主役はコロラトゥーラ・ソプラノ)という印象もあり、「狂女」の一人語りという点では,能の世界に通ずる。
この作品に橋本愛という女優を起用した慧眼に拍手(もし私が選ぶなら…生田絵梨花(元乃木坂46)あたりか)。1時間「呆然」という感じで見ていた観客が、最後にスタンディングオベーションで彼女を讃えたのが印象的だった。