タワーレコード「イントキシケイト」誌の取材を受ける。聴き手は小室敬幸さん。
それにしても私が最初の交響曲を書いた三十代半ば頃、まさか自分が作曲家として70歳近くまで生き延びるなんて1㍉も想像していなかった。いや、そもそもクラシック音楽とかオーケストラとか交響曲が21世紀にもなってまだ生き残って居るなんて、これはもう100%絶対あり合えないと思っていた。
しかし、現実は全て大はずれだ。なので私には(過去を愚痴るのは許して貰うとして)未来を語る資格はない。
人生にしろ世界にしろ音楽にしろ、未来は全く以て何も誰にも分からない。
だから若者たちよ。楽観するのも悲観するのも無駄だ。
とにかく生きたいように生きたまえ。
NHKのとある番組のために西村朗センセと大阪万博(EXPO'70)の思い出を核に70〜90年あたりの現代音楽や世界について対談。
二人とも当時は青雲の志に燃える高校生。(私は夏休みに東京から知り合いの家に居候して2泊3日の万博体験。西村氏は地元だったのでお祭りに通うように何度も訪れたそうだ)二人して現代音楽絶頂期の熱気と夢と狂気を全身に浴びて音楽の道に踏み込んだ…筈だったのだが、この万博をピークにして衰退と転落が始まるとはその時は知る由もなかった(笑
→写真は鉄鋼館スペースシアター(武満徹・クセナキス・高橋悠治らの音楽が1000個の可動式スピーカーやレーザー光線と共に演奏されていた未来的音楽空間)。下は10年ほど前に訪れた時の鉄鋼館。
NHK交響楽団第1968回定期公演FM生放送の解説出演。
・伊福部昭「タプカーラ交響曲」
・ショスタコーヴィチ「交響曲第10番」
井上道義指揮NHK交響楽団。
司会:金子奈緒/解説ゲスト:吉松隆
10月30日(日)ガーデン新木場ファクトリーで行われる〈新未来派/Nuovo Futurismo〉コンサートのリハーサル。
アトムハーツクラブ組曲
・第1番
・第2番
・鳥は静かに
・第3番(ゴーシュ)
演奏:アトムハーツクラブ・アンサンブル(N響のメンバーによる)
コンサートは13時開演・19時頃終演。プラスチックドッグス/アトムハーツクラブアンサンブル/高円寺百景/黒田亜樹&神田佳子/アンナ・アルディ/渋さ知らズオーケストラ…の6つのバンド/グループが登場し、各45分ほどのパフォーマンスを繰り広げる。アトムハーツクラブアンサンブルの演奏は14時頃から。
トーク出演(コンサートのプロデューサー岩本晃市郎氏と私の対談)はその前後13:45頃と16:05頃の2回で指揮の原田慶太楼氏も登場予定。
詳しくはこちら→***
交響曲第1番(カムイチカプ交響曲)と交響曲第2番〈地球(テラ)にて〉の新しいスコア届く。@全音楽譜出版社。
第1番op.40(1990)は、1992年に出版されたものの再版。今年の9月25日(日)原田慶太楼指揮東京交響楽団(ミューザ川崎)により・チカプ・チェロ協奏曲〈ケンタウルス・ユニット〉と共に再演予定。(CD:Camerata Tokyo、Chandos)
第2番op.43は、Scherzoを加えた全4楽章の完全版(1991/2002)。昨年8月9日にフェスタサマーミューザで原田慶太楼指揮東京交響楽団により再演されたほか・今年7月2日にはアンサンブル〈ヴェネラ〉で取り上げられ、昨年夏の東京オリンピック開会式でも使用された。(CD:Camerata Tokyo、Chandos。ただし初演時の3楽章版。完全版は未録音)
30年以上前(1991年)に書いた作品を再版することになり、確認と修正のため久しぶりにスコアを開き「過去の亡霊(?)」と向き合うことになった。
楽譜はもちろん全編アナログの手書き。当時は(当然ながら)メールも携帯電話もなく、曲の依頼や打合せは全て「黒電話」。スコアは(巨大なので簡単にコピーや郵送が出来ず)直接写譜屋さんやオーケストラに出向いて行き手渡ししていた記憶が蘇る。(今はPDFにしてメール添付で一瞬だ)
当時は「バブル景気」の時代だったそうだが、個人的には人生で一番貧乏な時期で実感は微塵もない。それでも90年91年と交響曲を書いて演奏されているのだから、一応はおこぼれにあずかったと言うことなのかも知れない。
ただし現代音楽全盛の時代は続いていて、この時書いたジャーンと協和音で終わる交響曲は先輩作曲家たちから「気でも違ったのか!」と大顰蹙を買い(と同時に完全無視され)、以後ほぼ村八分になった。
映画やテレビやラジオでは(BGMとして)現代音楽サウンドが聞こえてくることも少なくなかったが、時代の空気に合っていてそれはそれで結構好きだった。一方でゲーム音楽はまだピコピコ音の域を出ていない黎明期。それが30年経って一大音楽シーンを形成することになるとは…誰が想像しただろう。
サテ、30年後はどんな「驚きの」時代になるのかしらん。(イヤ、もちろん私はもう生きていないだろうけれど)
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