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    ・NHK-FM 毎週日曜日19:20~20:20放送。毎月第1-2日曜日(+α)東京枠解説担当。
    ・01月06日/13日
    ・02月03日/10日
    ・03月10日/17日/24日
    ・04月07日/14日/21日
    ・05月12日/19日
    ・06月02日/09日/16日
    ・07月07日/14日
    ・08月04日/11日/18日
    ・09月01日/8日,15日(再)/29日
    ・10月06日/13日/20日

仕事&音楽

2019年10月15日 (火)

ボヘミアンの光と影

BohemiaFM「ブラボー!オーケストラ」10月分の残り1本の収録にNHK405スタジオへ。

今回は10月20日(日)放送予定分で、ウェーバー歌劇「魔弾の射手」序曲とドヴォルザークの交響曲第8番。小林研一郎指揮東京フィル(2019年10月8日第15回平日の午後のコンサートから)・・・の筈だったのだが、収録後、ラグビーのW杯放送の関係で11/10(日)に飛ばされることが決定。

ボヘミアの暗い森が舞台の「魔弾の射手」とボヘミアの明るい自然と肯定的人生を描く「ドボ8」という組み合わせ。ちなみに、ボヘミア(Bohemia)というのはチェコ中西部あたりを指す地名だが、古くはヨーロッパ東部(ドイツ〜ポーランド〜オーストリアの一部を含む)一帯の呼称だったようで、日本で言うと「東国/あづま」とか「坂東」「武蔵の国」といった感じだろうか。

都(みやこ)から見た東国と同じく、ボヘミアは良く言えば自然に溢れた素朴な・悪く言えば未開な田舎のイメージのある森と草原の広がる地域。人々は革の帽子に革のズボンで馬を乗りこなしていて(このあたりは坂東武者のイメージと重なって興味深い)、このスタイルがアメリカのカウボーイの起源になったと言うから面白い。

この「東(遠く)から来た異邦人」…というイメージが、ジプシー/ロマのような移動生活者/放浪者の呼称となり、さらに…さすらう旅人=芸術家肌で世間や因習に囚われない自由な人間(悪く言えば、定職のない住所不定の芸術家くずれ)…をボヘミアンと呼ぶようになる。ちなみに、マーラーはボヘミア地方(チェコ)生まれなので生粋のボヘミアン。クイーンのフレディ・マーキュリーはザンジバル生まれだがボヘミアン。人はボヘミアンとして生まれるのではなく、ボヘミアンになるのである。たぶん。

2019年10月 1日 (火)

祭りと惑星とEKB

Img_0839 FM「ブラボー!オーケストラ」10月11月分2本の収録にNHK405スタジオへ。

10月13日(日)放送分は、フチーク「剣士の入場」、オッフェンバック「ホフマンの舟歌」、ドリーブ:バレエ組曲「シルヴィア」、レスピーギ「ローマの祭り」。バッティストーニ指揮東京フィル(2019年9月8日第81回休日の午後のコンサートから)。

11月17日(日)放送分は、ホルスト:組曲「惑星」。バッティストーニ指揮東京フィル/新国立劇場合唱団(9月13日第925回サントリー定期から)

オーケストラのいわゆるスペクタクル・サウンドを堪能する二大名曲だが、「ローマの祭り」(1928)は独裁者ムッソリーニが登場した時期にローマ帝国のネロ皇帝を描いた音楽から始まる作品。そして「惑星」(1914/16)はまさに第一次世界大戦真っ只中の時期に「戦争の神/火星」を描いた音楽から始まる作品。…と、その背景はちょっと怖い。共に、最後は平和に(ローマの祭りは賑やかな乱舞で、惑星は消えゆくような神秘の静けさで)終わるのが救いと言えば救いか。

後半の「惑星」では、担当ディレクター氏も少年時代からの天文マニアだったらしく、「水金地火木土天海冥」という呪文に始まって「水星の実視等級は…」とか「冥王星が準惑星になったいきさつは…」とか「小惑星帯とエッジワース・カイパーベルトは…」とおじさん二人で天文談義が始まる。そう言えば、エッジワース・カイパーベルト(Edgeworth-Kuiper Belt。海王星の外にある細かい天体の帯)から48人の宇宙人が来て〈EKB 48〉と名乗る…というジョークはどこで読んだのだっけ?

2019年9月14日 (土)

三人閑談@三田評論

Keio3三田評論2015年12月号に掲載された冨田勲/吉松隆/藤岡幸夫の三人閑談〈音楽家になるなら慶應に行こう〉→*** が三田評論 ON LINEで読めるようになった。

この三人ちょうど20/10年違いで、慶應義塾高校/大学の先輩後輩。鼎談は2015年10月9日に三田の慶應義塾大学で行われたが、冨田さんはその半年後(翌年5月5日)に他界。別れ際に「一緒に一杯飲みたいんだけど、体の具合があまりよくなくてね」と仰ってタクシーに乗って帰られたのが最後の思い出。あれからもう4年が経つ。

2019年9月 5日 (木)

新世界を造った女性たち

Dvorakthurber FM「ブラボー!オーケストラ」2本の収録にNHK404スタジオへ。

9月29日(日)放送分は、ドヴォルザーク:交響曲第9番〈新世界から〉。チョン・ミョンフン指揮東京フィル(2019年7月18日の東京フィル第924回サントリー定期より)
10月6日(日)放送分は、同じ公演から、シベリウス:ヴァイオリン協奏曲(vn:クリステル・リーさん)。および小林研一郎さん指揮でスメタナ:交響詩〈モルダウ〉(2019年1月8日第12回平日の午後のコンサートより)

新世界交響曲は今までもさんざん放送したし解説してきたので、今回はちょっと目先を変えて、そもそもドヴォルザークをアメリカに招聘したお金持ちの女性ジャネット・メイヤーズ・サーバー(Jeanette Meyers Thurber 1850-1946)という人について調べてみた。

この女性、NY生まれでデンマーク系移民のヴァイオリニストの娘さん。パリ音楽院で音楽を学び、19歳の時に食料品販売の夫と結婚。商売が成功して結構な富豪になったことから、そのお金でアメリカのクラシック音楽普及に情熱を傾け、音楽祭やオーケストラの後援をし、さらにオペラカンパニーや音楽学校まで創設してしまう。そして、その新しく造ったナショナル音楽院に箔を付けるため、学長に誰か有名な大物音楽家を…と考えて文字通り「白羽の矢」が立ったのがドヴォルザーク。当時50歳でプラハの音楽院の教授をしていて英語も話せたので、まさに適材!ではあったのだが、当人はそんな遠いところに行くのはイヤ…と固辞。しかし、彼女は諦めず、プラハでの彼の給料の25倍!とも言われる破格の年棒を提示し、その金額に驚いた奥さんが旦那を説得。結果、アメリカ行きを決意したのだそうだ(ただし、ホームシックに駆られてわずか2年半で職を辞して帰国してしまうのだが)。

つまり(歴史に「もしも」は禁句ながら)、この女性の無謀な押しの一手と夫人の説得がなかったら、新世界交響曲もチェロ協奏曲も弦楽四重奏曲アメリカも生まれなかったわけで、新世界の生みの親はこの二人の女性と言っていいのかも知れない(のかも知れない)。

2019年7月26日 (金)

幻想の妄想

ScoreaFM「ブラボー!オーケストラ」8月分2本の収録にNHK403スタジオへ。

今回は6月29に行われた九州交響楽団の演奏会(音楽監督の小泉和裕さんとの共演100回記念コンサート)を、前半後半と2回に分けて収録。

8月11日(日)は、前半の曲目:スッペ「詩人と農夫」序曲、リスト:ピアノ協奏曲第1番(p:広瀬悦子さん)。および九響のCDから、ムソルグスキー「禿げ山の一夜」とボロディン「中央アジアの草原にて」。

8月18日(日)は、後半の曲目:ベルリオーズ「幻想交響曲」。いずれも九州交響楽団第17回名曲・午後のオーケストラ@アクロス福岡シンフォニーホールより。

最近ベルリオーズ自筆の楽譜の第4楽章(断頭台への行進)表紙↑を見て、かなりアブナイ人がアブナイ状態で書いたことを再確認(笑。
この曲の成功のあと、一応作曲家として名を成し、別の女性となんとか婚約したそうなのだが、こんなアブナイ人と結婚しちゃダメよ、と彼女の母親が別のまともな男性との結婚を取りまとめて一方的に破談。それを知ったベルリオーズ先生、激高してこの母娘の殺人計画を練り、拳銃を隠し持ったうえ女装!して馬車でパリに向かったというから、もう少しで殺人・死刑・断頭台の話が幻想でなく現実になる処だったらしい。まあ、そのくらいの狂気がなければ、これほどぶっ飛んだ曲は書けない…ということなのだろうが、それにしても、それほどヘンな曲なのに「名曲」という認識で聴いてしまうのはなぜ?

2019年7月12日 (金)

パルナッソスとベルクハウス

ParnasusFM「ブラボー!オーケストラ」8月分2本の収録にNHK502スタジオへ。

8月4日(日)放送分は、ベートーヴェンの若き日のバレエ音楽「プロメテウスの創造物」の(ほぼ)全曲版。高関健指揮東京シティフィル(2019年1月26日第55回ティアラこうとう定期から)

9月1日(日)放送分は、ラフマニノフ「ピアノ協奏曲第2番」(p:鈴木隆太郎)指揮:大友直人(2019年5月18日第68回響の森クラシックシリーズから)と、リスト「ハンガリー狂詩曲第2番」指揮:小林研一郎(2018年11月4日第78回休日の午後のコンサートから)。演奏は東京フィル。(こちらは7月21日放送予定が参院選のため延期となったもの)

        *

バレエ「プロメテウスの創造物」はベートーヴェン30歳頃の作曲デビュー作に近い舞台作品。のちに「英雄」交響曲フィナーレの素材にもなる重要な作品だが、どういうバレエだったか細かいことは資料が残っておらず良く分からない。

イタリアの振り付け師ヴィガーノが台本を書き主役を踊ったこの作品、プロメテウス(ギリシャ神話の神様で、人間に「火」を与えたため、ハゲタカにはらわたを引きずり出される罰を受ける)の話がメインではなく、彼が土くれから創った人形(これが彼の創造物)が詩や音楽や芸術を知って「真の人間」になるという物語らしい。全2幕の後半で彼ら(人間)はパルナッソス山のアポロの神殿に連れて行かれ、様々な神さまたち(芸術の神アポロ、美の神ヴィーナス、戦争の神マルス、詩や音楽の神オルフェウス、酒の神ディオニソス/バッカス・牧神パンなどなど)から学問や詩や芸術…そして酒や戦争を教わる。かくして、土くれから生まれた人形は心を持った「人間」となリ、最後は神々と一緒に悦びの踊りを踊る…という構成である。

若きベートーヴェンは、この作品から「芸術を知ることで真の人間になる」というヴィジョンを見出したのだろう。だからこそ「英雄」交響曲でこの作品の素材を使い、芸術を極めて「真の自分(ベートーヴェン)になるぞ」という宣言を行った…ということになるだろうか。

Karlmllerそして、後半で演奏されたリストの「ハンガリー狂詩曲第2番」の管弦楽編曲ミュラー=ベルクハウス版にも注目。この曲のオーケストラ版としては最も有名なスコアだが、今まで編曲のミュラー=ベルクハウスを(何となく)ミュラーさんとベルクハウスさん2人の共作?かと思い込んでいた。

ところが調べてみると、彼はカール・ミュラー=ベルクハウス(Karl Müller-Berghaus。1829-1907)という一人の音楽家。本名はカール・ミュラーで、ベルクハウスというのは結婚した奥さん(エルビラ)の姓。音楽家一家で兄弟全員が音楽家なので、ミュラーだけでは区別が付かないことから複姓としたものらしい。

ドイツ出身だが、ヨーロッパのあちこちでヴァイオリニスト・指揮者・作曲家として活躍(ハンガリー狂詩曲の編曲は、おそらく出版社ジムロックから頼まれてアルバイトで書いたのだろう)。50代からはフィンランド/トゥルクの音楽協会で指揮者を務め、フィンランドの神話「カレワラ」を元にしたオペラ(Die Kalewainen in Pochjola 1890)も書いていると初めて知った。英雄ヴァイナモイネンやポヒョラの娘たち、そして富を生み出す魔法の臼サンポを巡る全4幕の大掛かりなオペラである。

Kalewainen-in-pochjola この作品、上演する機会のないまま、本人がドイツに帰国したのち亡くなってしまい、楽譜も無くなったと考えられていたのだが、最近、町のライブラリに保存してあった楽譜が見つかり、2017年フィンランド独立100周年記念に127年ぶりにトゥルクで初演されている。

シベリウスが「クレルヴォ」(1891)を書く前に書かれたカレワラ神話による本格的なオペラ!。YouTubeで検索すると初演の時の映像を見ることが出来るが、ワーグナーばりのなかなかの力作である。

2019年7月 6日 (土)

新・サイバーバード協奏曲

2019年6月21日 (金)

特別対談@音楽の友

Ontomo音楽の友7月号に舘野泉さんとの対談掲載。

小特集「現代音楽のススメ」に寄せる〈それぞれの立場で語る「現代音楽」、作曲家と奏者の関係〉(聞き手:長井進之介さん)

2019年6月17日 (月)

ロックな古典?

TchaikowaltonFM「ブラボー!オーケストラ」7月分2本の収録にNHK 405スタジオへ。

7月7日(日)放送分は、チャイコフスキー「イタリア奇想曲」(2019年2月3日第79回休日の午後のコンサートから)、同「ヴァイオリン協奏曲」(vn:ユーチン・ツェン 2019年3月13日第918回サントリー定期シリーズから)プレトニョフ指揮東京フィル。

7月14日(日)放送分は、ウォルトンの戴冠式行進曲「王冠」、チャイコフスキー「交響曲第4番ヘ短調」。バッティストーニ指揮東京フィル(2019年4月18日第920回サントリー定期より)

ちょっと珍しいウォルトンの戴冠式行進曲「王冠」は1937年に前の国王ジョージ6世(現在のエリザベス女王のお父上)の戴冠式の時に作曲された曲。日本でもこの5月に新しい天皇が即位して「令和」の時代となり、10月に(戴冠式に当たる)即位礼正殿の儀が行われるので、それにちなんだ一曲。

チャイコフスキーのヴァイオリン協奏曲と交響曲第4番は…作曲を志した高校生の頃、それこそ舐めるようにスコアを読んだ懐かしい曲。彼の音楽は当初なぜか初演で失敗したり悪口を言われたりすることが多かったようだが、それはどこか「これでもか」というような過剰な(シャウトしたりコブシを付けたりする)表現が人の心を刺激したからなのだろう。BGMとして聞き流したり心地よく眠ってしまうことが出来ない。それを「煩わしい」と思うか「凄い」と思うか…、その点では当時の人々にとって彼の音楽は「ロック」だったわけだ。(とは言え、そのロックもいまやすっかり古典=クラシックになってしまったけれど…)

2019年5月30日 (木)

舘野泉さんと対談インタビュー

Ateno舘野泉さん宅で音楽の友誌の対談インタビューを受ける。

舘野さんとの出会いは、私が高校生の頃。「フィンランドから帰国した若手!ピアニスト」というので興味を持ちリサイタルを聴きに行った時だから、もう軽く50年が経つ。

お会いして話をした最初の機会は、駆け出しの作曲家としてピアノ誌で対談インタビューした時。30年ほど前だろうか。その時も舘野さん宅だった。

その後、シベリウス協会でご一緒するようになり、オウルンサロ音楽祭に招かれ、左手のピアニストになられてからは、頼まれもしない曲も含めて十数曲…ピアノソロ、3手連弾、室内楽、語りもの、アレンジもの、コンチェルト、そして大河ドラマと…ずいぶん曲を書いた。(今年11月のバースデイコンサートでは、草笛光子さんとの共演で「KENJI…宮澤賢治によせる」を再演予定。また上皇后美智子さまとの連弾のための曲も密かに進行中)

大先輩にして戦友?という不思議な長い付き合いだが、終わって写真を撮ってのひとことは…「お互い白髪になっちゃったなぁ(笑)」

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