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    ・NHK-FM 毎週日曜日19:20~20:20放送。毎月第1-2日曜日(+α)東京枠解説担当。
    ・01月07日/14日/28日
    ・02月04日/11日/18日
    ・03月04日/11日/18日/25日
    ・04月01日/08日/15日/22日
    ・05月06日/13日/20日

2018年4月23日 (月)

国民楽派の過去と未来

SmetanasibeliusFM「ブラボー!オーケストラ」5月分残り2本の収録にNHK401スタジオへ。

今回は2018年2月3日の東京フィル第63回響きの森クラシックシリーズから、小林研一郎氏の指揮でスメタナ「我が祖国」全曲を2回に分けて収録。

5月10日(日)放送が第1曲「高い城」、第2曲「モルダウ」、第3曲「シャールカ」、第4曲「ボヘミアの森と草原から」。
5月17日(日)放送が第5曲「ターボル」、第6曲「ブラニーク」。後半はプレトニョフさんの指揮でシベリウス:交響曲第7番。(2018年2月23日第902回サントリー定期から)

熱く感動的な演奏を聴きながらも……かつてはシンプルかつ音楽的に共感できた「国民楽派」の音楽をもはや素直に共感できなくなってしまっている自分に気付く。純粋な愛国心ほど大きな思惑や悪意に吞み込まれ利用される。その結果引き起こされた嫌な歴史を知ってしまっているからだろうか。

若い頃は「国民楽派」の真っ只中に居たシベリウスも(そんな空気を感じてかどうか)、年を経るに従って国や人とのしがらみから遊離する方向に向かい、最後の第7番では国も人の影もないような(ある意味、厭世的な)透明な世界に達してしまう。

だからというわけではないが、昔から、究極の音楽とは、誰ひとり人間のいない世界(宇宙)に鳴り響く「誰も聴かない音楽」なのかも知れない…と思うことがある。それは、中島敦の「名人伝」で描かれた…弓を使わず弓が何であるかすら忘れてしまった究極の弓の名人…という皮肉で矛盾したヴィジョンに重なる。

そして、このネットの時代、もしかしたら既に多くの作曲家たちがその境地に達しているのではないか、とも思う。当然ながら「誰も聴かない」ので「誰にも知られていない」わけで、彼らの心を知る術はないのだが…。

2018年4月20日 (金)

北欧の巨人二人

Edjean

FM「ブラボー!オーケストラ」5月分1本の収録にNHK503スタジオへ。

今回は5月6日(日)放送分で、シベリウス:交響詩「フィンランディア」、グリーグ:ピアノ協奏曲イ短調(p:牛田智大)。プレトニョフ指揮東京フィル(2018年2月23日第902回サントリー定期より)…という北欧フィンランドとノルウェーを代表する国民楽派の巨匠二人の名作2曲。

2018年4月16日 (月)

音楽についてのあれやこれや

Areya
カワイの機関誌「あんさんぶる」(年6回発行)に《音楽についてのあれやこれや》という連載を始めることになった。

Zettaiあんさんぶる誌は、かつて〈絶対安全音感日記〉(1999〜2001年)というイラスト付きの連載をしていたので、20年ぶりの里帰り。還暦過ぎて原稿の仕事はやめていたのだが、「ふた月に一回ですし、マンガ付きで好きなこと書いてください」と言われ、リハビリを兼ねて引き受けることにした。

題材は、ここ数年ぶつぶつと書き留めて来た「音楽とは何か?」についてのマジメな論考。あまりに大上段すぎて挫折し押し入れに投げ込んでいたものを、イラストを交えて軽口で再構成してみよう…と思い立ったはいいのだが、HPやブログに慣れてしまった身には、何字何行の縛りや〆切やレイアウトの制限がある紙の原稿の世界は「昔懐かしい」というより「手間が大変」。

当時はというと、…ワープロ専用機で打ってプリントした原稿をFAXで送っていた。(当然ながら、そのFAXを元に出版社でもう一度活字を組むので、二度三度の校正チェック&FAXでのやり取りが必要だった)。それでも、清書されて活字になり字数も確定した原稿を〆切当日直接出版社に送れるのは、原稿書きにとっては画期的で夢のような最新技術だった。(だから、1986年、最初にワープロを買った年が私の執筆活動元年である)

なにしろ、その前は……400字詰め原稿用紙にペンで書いた自筆の原稿を、〆切当日までに自分の足で出版社まで届けるか、担当が毎月玄関まで取りに来ていたのだから……。

2018年4月 5日 (木)

偏屈なライバル

WagnerbrahmsFM「ブラボー!オーケストラ」4月分2本の収録にNHK605スタジオへ。

今回は2017年12月13日に行われた群馬交響楽団の東京オペラシティ公演から・・・

4月15日(日)放送分が、芥川也寸志:弦楽のための三楽章〈トリプティーク〉、ブラームス:ヴァイオリン協奏曲(vn:成田達輝)。
4月22日(日)放送分が、ブラームス:交響曲第1番。演奏:大友直人指揮群馬交響楽団。

…と、ほぼブラームス特集の2時間のあと、宿敵ワーグナー特集の別番組の打合せ。この二人、「犬猿の仲」だったとも「周りがけしかけていただけ」とも言われるが、自分専用の劇場まで建てて音楽界に君臨していた帝王ワグナーが、保守王道を唱える20歳も年下のブラームスを脅威に感じていたとはとても思えない。ただ共演NGだったことは確かなようで、ベートーヴェン生誕100年祭に二人を招待したら、ブラームスの名前があるのを見てワーグナーがドタキャンしたというから「会いたくない相手」ではあったのだろう。

ちなみに、ブラームスはブルックナーとも「犬猿の仲」で、彼の交響曲を「大蛇が地面をのたくってるような音楽」とくさしているが、人生を見ても恋愛事情を見ても、あちこち屈折していろいろ面倒くさい偏屈な人だったような気がする。こういう爺さんになりたいものだ。(…もうなってるか

2018年3月26日 (月)

ジュピターとは俺のことかとゼウス言い

JupiterFM「ブラボー!オーケストラ」収録のためNHK502スタジオへ。

今回は4月8日(日)放送分で、モーツァルト:交響曲第41番「ジュピター」。チョン・ミョンフン指揮東京フィル(1月24日第114回オペラシティ定期より)。
+グリンカ「クラコヴィアク」(歌劇「イワン・スサーニン」より)、ボロディン「中央アジアの草原にて」プレトニョフ指揮(第898回サントリー定期より)。

ジュピターはギリシャ神話の主神ゼウスのローマ神話での呼び名。クラコヴィアクはロシアの作曲家グリンカが書いたポーランド風舞曲。それに中央アジアの草原が加わり、ギリシャ・ローマ・ウィーン・ポーランド・ロシア・中央アジアと記憶の奥の広大なる大陸を旅する1時間。

2018年3月23日 (金)

時は巡り・朱鷺は回る

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FM「ブラボー!オーケストラ」2本の収録のためNHK404スタジオへ。

今回は、3月17日に行われた東京ニューシティ管弦楽団の第117回定期演奏会を2回に分けての放送。

3月25日(日)は、前半のプログラム…ベートーヴェン「コリオラン」序曲、ラフマニノフ:ピアノ協奏曲第2番ハ短調(p:干野宜大さん)。
4月1日(日)は、後半。シベリウス:交響曲第2番ニ長調。指揮は曽我大介さん。

前半のプログラムはちょっと面白い仕掛けがあって、コンサート冒頭からピアニストが登場し、まずラフマニノフの前奏曲嬰ハ短調「鐘」を独奏。そのまま切れ目なしに「コリオラン」序曲が始まり、ピアノは通奏低音で演奏に参加。そして最後の音からノンストップでピアノ協奏曲に繋げる…という全3曲50分ほどのメドレー?仕立て。「鐘」をイメージさせる嬰ハ短調の前奏曲とピアノ協奏曲冒頭の「鐘」の楽想を、ハ短調のコリオランで(ピアノの低音を「鐘」に見立てて)繋げるという…曽我さんらしい面白い試み。

余談ながら、後半のシベリウス第2番を聴きながら「Sibelius」のアナグラムを考えていて「Ibis slue」(朱鷺は回る)に行き当たる。
こんな明らかな天啓?に50年気付かなかったとは。

2018年3月13日 (火)

七人の演奏家たちの協奏曲

ArtistsFM「ブラボー!オーケストラ」の収録のためNHK404スタジオへ。

今回は3月18日(日)放送分の「吉松隆セレクション2017」。昨年度放送分の中から若い世代を中心に七人の演奏家によるコンチェルトのセレクション。

曲目は、チャイコフスキー:ピアノ協奏曲第1番(p:外山啓介さん)、ラフマニノフ:ピアノ協奏曲第2番(p:松田華音さん)、ショパン:ピアノ協奏曲第2番(p:小菅優さん)、同第1番(p:遠藤郁子さん)、ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第3番(p:イム・ジュヒさん)、リスト:ピアノ協奏曲第1番(p:阪田知樹さん)、チャイコフスキー:ヴァイオリン協奏曲(vn:辻彩菜さん)。いずれも抜粋。

2018年2月22日 (木)

FM「ブラボー!オーケストラ」収録

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FM「ブラボー!オーケストラ」3月分2本の収録にNHK601スタジオへ。

3月4日(日)放送分は、モーツァルト「劇場支配人」序曲、フルートとハープのための協奏曲(fl:高木綾子、hp:吉野直子)ほか。+ラフマニノフ「ヴォカリーズ」

3月11日(日)放送分は、ドヴォルザーク:交響曲第8番ほか。演奏はいずれも阪哲朗指揮東京フィル(2018年2月12日千葉県八千代市民会館での公開録音より)

2018年2月20日 (火)

MOSTLY Classic4月号寄稿

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モストリークラシック4月号「演奏スタイルの変遷」特集号に「作曲家から見た〈演奏〉との距離」寄稿。

2018年2月13日 (火)

幻想の孤独

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今回は、2月18日(日)放送分の一本で、曲目はベルリオーズ「幻想交響曲」。ミョンフン指揮東京フィル(2018年1月24日第114回オペラシティ定期より)。

左:幻想交響曲を発表した頃のベルリオーズ。
右:女優ハリエット・スミッソン。

この曲、前半3楽章は(身も蓋もなく言ってしまえば)意外と凡庸。全体を支配する固定楽想のメロディなどもっとマシな(耳に残る)モノを思い付かなかったのか?とさえ思うし、ワルツは悪くないものの常識の範囲内、続く第3楽章の「野の風景」は死ぬほどつまらない(カットしちゃいたくなる…と言った指揮者がいたが同感である)

ところが、後半いきなり断頭台への行進で3段階ほどレベルアップ。最終楽章のオーケストレイションはもう神がかった凄さでいつ聞いても鳥肌が立つ。ロマン派をすっ飛ばして80年未来の現代音楽(春の祭典の直前くらい)まで行ってしまう感じだ。

ちなみに、この曲には俳優と合唱・オーケストラが演じる続編(レリオ…あるいは生への復帰)があって、ベルリオーズは「幻想」とペアで演奏して一晩の演目にすることを想定していたらしいが、こちらは(どう贔屓目に見ても)失敗作。もし成功していたら、音楽と文学と演劇を合体させた(後のワーグナーの楽劇のような) 総合芸術として音楽の未来を変えたのかも知れない…というような聴き方をすれば、ちょっとゾクゾクしないこともない。

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