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  • ブラボー!オーケストラ
    ・NHK-FM 毎週日曜日19:20~20:20放送。毎月第1-2日曜日(+α)東京枠解説担当。
    ・01月10日/17日(再)/31日
    ・02月07日/14日
    ・03月07日/21日

仕事&音楽

2021年2月22日 (月)

アリヴェデルチ・オーケストラ

Bravoo FM「ブラボーオーケストラ」3月分2本の収録にNHKへ。

3月7日(日)放送分は、ドヴォルザーク「謝肉祭」と「チェロ協奏曲ロ短調」(vc:佐藤晴真)。
3月21日(日)放送分は「交響曲第9番〈新世界から〉」。
いずれも演奏は渡邊一正指揮東京フィル(2021年2月14日@和光市民文化センター/サンアゼリア大ホールにて行われた番組の公開録音コンサートより)。

・・・と、これにて私の解説担当分は終了。2012年に始まった「ブラボーオーケストラ」の枠で9年、その前の「オーケストラの夕べ」(2008)「FMシンフォニーコンサート」(2003)から数えると18年、初仕事の「新譜情報」(1996)からは25年…という長きにわたりFMで(ほぼ毎週)ボソボソと解説してきたわけだが、晴れて卒業ということに。(ちなみに、番組自体は新年度から柴辻純子さんに引き継がれて続きます)

思えば、大河ドラマを担当したあと60歳で還暦コンサートをやってもらって「定年退職」し、そのあと唯一続けてきたのがこのFM解説の仕事だったのだが…(以前は2時間枠でも3時間枠でも平気で喋っていたが、最近はさすがに1時間でもくたびれるようになってきて、処理スピードと記憶容量の低下は如何ともしがたい)。というわけで、これからは年金と印税で細々と食いつなぎながら、猫を膝にひきこもり隠居暮らしを楽しもうかと…(笑)。そう言えば今日は猫の日(2/22)

Studioa

2021年2月 1日 (月)

ディアギレフの名馬たち

Ravelstradia FM「ブラボーオーケストラ」の収録にNHKへ。

今回は2月14日(日)放送分で、ラヴェルの「ダフニスとクロエ」第1組曲・第2組曲、ストラヴィンスキー組曲「火の鳥」(1919年版)。バッティストーニ指揮東京フィル。(2021年1月22日第946回サントリー定期より)

2曲とも原曲はディアギレフ率いるロシアバレエ団(バレエ・リュス)が生み落としたバレエ作品だが、このセルゲイ・ディアギレフ(1872-1929)という人物、ペテルブルクの裕福な家に生まれ一般大学の法科で学びつつR=コルサコフに作曲を学んでいたそうで…どこかで聞いたことがあると思ったら10歳年下のストラヴィンスキーと同じ経歴だ。ただ、彼の方は才能に限界を感じて大学卒業後に作曲は諦め、親の遺産を元手にまず美術品のコレクターを始め、やがてパリを拠点にロシア文化を西欧に紹介する展覧会や音楽界を開く興行主となってゆく。

そして、その延長線上にロシアバレエ団を設立。同門の後輩でもあるまだ無名のストラヴィンスキーに「火の鳥」を書かせ、それが大成功したことから一躍音楽界屈指の名プロデューサーとして名を馳せることになる。以後ラヴェル・ドビュッシー・ファリャ・プロコフィエフ・サティ・プーランクら当時の若手中堅どころに次々と新作バレエを書かせ、パヴロワ・フォーキン・ニジンスキーらが踊り振付けし、ピカソ・マチス・ミロ・ローランサンらが舞台美術を手がけ、話題を一身に集めながらロンドン・ローマ・ウィーンからアメリカ各地まで公演しているのだから凄い。

なんだか(写真で見る風貌も含めて)キングコングを連れてきてニューヨークで興行したカール・デナムのような…どこか山師的な怪しげな処もないではないが(笑)、もし彼がいなかったら「3大バレエ」も「ダフニス」もなかったのだから、20世紀音楽の道筋を決定した重要人物であることは確か。
中国の故事で名馬を見出す慧眼を持った人物を「伯楽」と言うが、秀吉や光秀を見出した信長しかり、矢吹ジョーを見出した丹下段平しかり、タモリを見出した山下洋輔・赤塚不二夫しかり、見出される側もそういう人物と出会うか出会わないか・いつどういう形で出会うか、で生涯を大きく左右されるわけで、運命の女神であると同時に人の運命を玩ぶ悪魔メフィストのような側面もあるような気がする。

ちなみに、彼らは(私自身も何人か心当たりがあるのだが)特別な嗅覚と共に普通の人とはちょっと違う嗜好を持っていることが多く、そのせいか見出された側がそのあと純粋に恩人として神のように感謝するかというと…ちょっと微妙と言えなくもない。…それが悪魔の悪魔である所以なのだが(笑。

ちなみに当番組の私の担当はこの3月まで。長年のご愛顧に感謝。

2021年1月13日 (水)

ハ長調とハ長調

Schubertmozart FM「ブラボー!オーケストラ」の収録にNHKへ。

今回は、2020年12月5日の東京交響楽団第687回定期(サントリーホール)を2回に分けて放送。1月31日(日)はモーツァルト:ピアノ協奏曲第21番(p:児玉桃さん)ほか。2月7日(日)はシューベルト:交響曲第8番〈ザ・グレート〉。演奏は鈴木雅明指揮東京交響楽団。

モーツァルトのハ長調(ピアノ協奏曲)とシューベルトのハ長調(交響曲)という組み合わせ。同じハ長調ながら、後期に足を踏み出したモーツァルトと、ポストベートーヴェンに足を踏み出したシューベルトの描く世界は、一筋縄ではいかない多層的な音楽を聴かせて素晴らしい。そして指揮の鈴木雅明氏の味なのか、優しいながら清々しい響きがどこまでも心地いい。ただ、グレートは第9であって欲しい。昔も今も、そしてこれからも(笑。

2020年12月18日 (金)

運命のトラウマ

Img_1734FM「ブラボー!オーケストラ」今年最後の収録にNHKへ。

今回は12月27日(日)放送分で、波乱のベートーヴェンイヤーの最後を飾るベートーヴェン交響曲第5番〈運命〉。演奏はチョン・ミン指揮東京フィル(2020年10月19日第944回サントリー定期から)。

この曲、12月22日(1808年)という年末の寒いときに〈田園〉と並んで初演され、お客も少なく・演奏もうまく行かず・反響も鈍く・当然報酬も少ない・というベートーヴェンに眉間の皺とトラウマを残すことになった因縁の曲(らしい)。・・というわけで、残りの時間には往年の大指揮者ヴァツラフ・ノイマンと東京フィルが共演した歴史的CD録音(1991年11月のライヴ)から「田園」の第2楽章も聴くことに。

2020年11月24日 (火)

よりにもよってメンデルスゾーン

Felixletter FM「ブラボーオーケストラ」11月/12月分2本の収録にNHKへ。

今回はこの11月20日にすみだトリフォニーホールで行われた新日本フィルハーモニー交響楽団第627回定期演奏会から…
・11月29日(日)放送分は、メンデルスゾーン「静かな海と楽しい航海」、モーツァルト「協奏交響曲変ホ長調K.364(vn:成田達輝、va:東条慧)。
・12月6日(日)放送分は、メンデルスゾーン交響曲第3番「スコットランド」。尾高忠明指揮新日本フィルハーモニー交響楽団。(↑写真はメンデルスゾーンがスコットランドに行ったときに家族宛に描いた絵はがき)

余談ながら、むかしむかし私が小学校にあがりたての頃、生意気にクラシック音楽のソノシートなど聞いているのを見て学校の先生が「好きな作曲家は?」と聞いたところ、「メンデルスゾーン」と即答したらしい。
ベートーヴェンとかモーツァルトとか言うのかと思ったら「よりにもよってメンデルスゾーン!」とずいぶん後になっても繰り返しそう言っては思い出し笑いされた。

メンデルスゾーンの何の曲を聞いてそう思ったのか(というより5歳児がどこでメンデルスゾーンなどという名前を覚えたのか)記憶にないが、どこかで「無言歌集」の一曲でもピアノで聞いて気に入っていたのだろうか。まさか「スコットランド」ではないと思う。

追記:このところずっとコロナ禍のひきこもりで人と話すことがない日々が続いているので、たまにマイクの前に座ってふと気付くと…日本語が出て来ない(笑)。来年までこれが続いたら日本語を忘れてしまっているかも知れない。

2020年10月30日 (金)

11月のオーケストラ

Beethovendvorak2FM「ブラボーオーケストラ」11月分2本の収録にNHKへ。

11月8日(日)放送分は、ドヴォルザーク「謝肉祭」と「交響曲第8番ト長調」。渡邊一正指揮東京フィル(2020年9月25日第942回サントリー定期より)

11月15日(日)放送分は、ベートーヴェン「ヴァイオリン協奏曲ニ長調」(vn:服部百音)。チョン・ミン指揮東京フィル(同10月19日第944回サントリー定期より)

2020年10月14日 (水)

広島のベートーヴェン

1002ひさしぶりにNHKへ。FM「ブラボーオーケストラ」10月分2本の収録。

今回は、10月2日に行われた広島交響楽団ディスカバリーシリーズ7を2回に渡って放送。

10月18日(日)はベートーヴェン序曲「命名祝日」と細川俊夫「昇華〜チェロとオーケストラのための」(日本初演/vc:岡本侑也)。作曲者と指揮者のトークあり。(+CDよりブルックナー交響曲第5番第2楽章アダージョ)
10月25日(日)はベートーヴェン:交響曲第7番イ長調。アンコールは「月光ソナタ」のオーケストラ版!(編曲:野本洋介)。

2020年8月28日 (金)

20世紀の邂逅

Scrg FM「ブラボーオーケストラ」9月放送分残り一本の収録にNHKへ

9月27日(日)放送分の特別企画第7回は「20世紀の新たな響き」というテーマで、コープランド「市民のためのファンファーレ」(指揮:原田慶太楼)、ショスタコーヴィチ「祝典序曲」(指揮:外山雄三)、ガーシュウィン「ラプソディ・イン・ブルー」(ピアノ三舩優子、指揮:D.エッティンガー)、ラヴェル「ピアノ協奏曲ト長調」(ピアノと指揮:渡邊一正)+東京フィル。

今回は20世紀西欧の「(いわゆる)現代音楽」の潮流とは違ったところでクラシック音楽の裾野を広げた4曲。この時代、モダンで無調なのが音楽史的に正しく、ソヴィエトの「社会主義リアリズム」は「体制迎合」、アメリカの「自由主義リベラリズム(これは造語)」は「大衆迎合」、調性やメロディを書こうものなら「時代錯誤」と嘲笑されたものだったが、そんな記憶も今は昔。そんな時代もあったねと今は話せるようになった。

ただ…、ショスタコーヴィチとガーシュウィンが居なかったら、あるいは逆に無調現代音楽系に「春の祭典」級のヒット曲があったら、状況は全く変わって居たかも知れないとも思う。シェーンベルクなどは亡命先のアメリカでガーシュウィンとテニス仲間だったそうだから、12音でシンフォニックジャズを書いてヒットさせたりしていたら音楽の潮流も随分変わったことだろう…イヤ、それはないか

写真上は、訪米したショスタコーヴィチ(54)と握手するコープランド(60)。下は訪米したラヴェル(53)の元を訪れたガーシュウィン(30)。

2020年8月24日 (月)

時代と異国と音楽と

Panharmonicon FM「ブラボーオーケストラ」9月放送分2本の収録にNHKへ。

9月13日(日)放送分は、夏の特別企画第5回「生誕250年/ベートーヴェンの協奏曲」というテーマで、ベートーヴェンのピアノ協奏曲第2番(p:中村紘子/指揮:広上淳一@2013年4月収録)と「ウェリントンの勝利」(指揮:飯森泰次郎@2015年2月収録)東京フィル。

9月20日(日)放送分は、同第6回「エキゾチックな音楽の旅」というテーマで、ロドリーゴ「アランフェス協奏曲より(g:荘村清志、指揮:三ツ橋敬子)、ボロディン「ダッタン人の踊り」(指揮:バッティストーニ)、小山清茂「管弦楽のための木挽き歌」(指揮:渡邊一正)、マルケス「ダンソン第2番」(指揮:原田慶太楼)東京フィル。

 ベートーヴェンの回は、20代の若きベートーヴェンが書いた事実上最初のピアノ協奏曲(第2番)と、40代で書いた珍品とも言える「戦争交響曲」。交響曲もピアノ協奏曲も第1番2番はほとんど聴くことがないのだが、改めて聴くとやはり才能あるなぁと感じる(当たり前だが)。
 後者の「戦争交響曲」は、友人メルツェル(メトロノームの発明者)が新しく発明した自動演奏機械パンハルモニコン↑をアピールするためにベートーヴェンに委嘱したもの。戦争をネタにして英仏軍のバトルを銃声や大砲の音込みで描き、最後は勝利のフィナーレ…というのは(おそらく)メルツェルのアイデア。(漫画で言うなら)原案メルツェル・作画ベートーヴェンみたいなものか。初演で大受けに受けた後、作品の権利を巡って揉めて裁判沙汰になり、友情にヒビが入ったらしい(…という話を聞くとN氏に交響曲を書かせたS氏の話を思い出す)。ベートーヴェンの書いた最大規模の交響作品なのに「キワモノ」扱いで殆ど正当に評価されていないのもそんな出自の怪しさもあるのかも知れない。

 続くエキゾチックの回は、スペイン(アランフェス協奏曲)から始まって、中央アジア(ダッタン人の踊り)、日本(木挽き歌)、南米(ダンソン)と地球を一周する音楽の旅。人類がアフリカから世界に旅したグレート・ジャーニーの道筋でもあり、西洋と東洋を繋いだシルクロードに思いを馳せれば郷愁誘う旅だが、大航海時代にスペインやポルトガルを始めとする欧米列強諸国がこの道筋でアジア・アフリカから南北アメリカまでを征服・植民地化・キリスト教化した歴史を思うと…当時の日本はよく無事だったものだとしみじみ感心する。信長・秀吉・家康は偉かった(笑
 クラシック音楽が世界中に伝播して「人類の音楽」の代表のような顔をして居るのもそんな植民地時代の悪しき残滓…と言えなくもないわけで、そう考えると現代のグローバル化ともども「(西欧の言うことに)騙されてはいけない」という声がどこかから聞こえてくる気がする。

2020年7月31日 (金)

映画の中の生と死と

GodzillaaNHK-FM「ブラボーオーケストラ」8月9月放送分2本の収録にNHKへ。

8月23日(日)放送分は、「魅惑の映画音楽」というテーマで、伊福部昭「SF交響ファンタジー第1番」(岩村力指揮)、ニーノ・ロータ「道」(バッティストーニ指揮)、モリコーネ「ニューシネマパラダイス」から愛のテーマ(三ツ橋敬子指揮)。+映画に因んだ名曲選。シュトラウス「美しき青きドナウ」(2001年宇宙の旅/小林研一郎指揮)、マーラー「アダージェット」(ベニスに死す/ミョンフン指揮)。

9月6日(日)放送分は、「生誕250年/ベートーヴェンの交響曲」というテーマで、エグモント序曲(小林研一郎指揮)、交響曲第7番イ長調(チョン・ミョンフン指揮)いずれも演奏は東京フィル。

解説で登場する映画5編を改めて見直してみる。「ゴジラ」は大戸島の尾根からにゅっと顔を出す最初の登場シーンが昔は凄く怖かったが、改めて見ても良く出来ている名品。「道」はサーカス風の音楽と哀愁漂うテーマのコントラストが秀逸。綱渡り芸人はリチャート・ベースハート(シービュー号のネルソン提督!)。「ニューシネマパラダイス」は…何と言ってもトト役の子役(サルヴァトーレ・カシオ)の可愛さが成功の要因。トトとアルフレッドのテーマが耳に残る。
「2001年宇宙の旅」で使われた「青きドナウ」は…宇宙船がくるくる回りながら無重力の宇宙空間を飛翔する様を「ワルツ」に見立てたのだろうが、エンドロールでも延々と流れメインテーマ扱いになってることに改めて気付く。ドナウの流れは「悠久の時の流れ」に通ずる…ということか。
アダージェットが全編を覆う「ベニスに死す」は、今見ると、少年愛や耽美的頽廃さ云々より、コレラの流行を観光客に隠して徐々に感染が広がってゆくベニスが現在の新型コロナに重なってリアルに怖い。
どの作品にも「生」より「死」の香りを強く感じるのは、歳を取ったせいだろうか。〆の「ベト7」だけが生命の火花のほとばしりを感じさせ…思わず我に返る。

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