フォト

Home page

お知らせ

  • らららクラシック(NHK-Eテレ)フォーレ「レクイエム」回ゲスト出演。放送・3月22日(金)21:30~22:00/再放送・03月28日(木)10:25-10:55。
  • 音楽館
    作品視聴…映像付き
  • 楽譜出版《ASKS.orchestra》交響曲,協奏曲,室内楽などのスコアを電子版(PDF)で販売中。海外向け→**
    出版作品一覧→***NEW
  • 《図解クラシック音楽大事典》(学研)イラストとまんがでオーケストラや楽典から音楽史までを紹介する掟破りの入門書。旧〈音楽大事典〉の超大幅改訂復刻版。
    作曲は鳥のごとく》(春秋社)自らの作曲家生活を綴った独学の音楽史@2013年3月刊
    《調性で読み解くクラシック》(ヤマハ)調性および音楽の謎を楽理・楽器・科学・歴史から読み解く文庫版入門書。
  • ブラボー!オーケストラ
    ・NHK-FM 毎週日曜日19:20~20:20放送。毎月第1-2日曜日(+α)東京枠解説担当。
    ・01月06日/13日
    ・02月03日/10日
    ・03月10日/17日/24日
    ・04月07日

2019年3月19日 (火)

音楽の中の人生

4compoFM「ブラボー!オーケストラ」2本の収録にNHK502スタジオへ。

3月24日(日)放送分は、ベートーヴェン「プロメテウスの創造物」抜粋(序曲/第1幕序奏/第2幕田園曲)と交響曲第6番「田園」。高関健指揮東京シティフィルハーモニック管弦楽団(2019年1月26日@第55回ティアラこうとう定期より)。 

4月7日(日)放送分は、バッハ:トッカータとフーガ、チャイコフスキー:ロココの主題による変奏曲(vc:北村陽)、リスト:交響詩「前奏曲」。小林研一郎指揮東京フィル(2018年11月4日@東京フィル第78回休日の午後のコンサートより)。 

…リスト「前奏曲」の解題である「人生は、死への前奏曲のようなものだ」という言辞は、十代の頃、結構トラウマだった。それに続く「ラッパが鳴ると(田園に居ようが休息していようが)男は戦場に行くのだ」という…ベートーヴェン以来「ゲイジツ」音楽には付き物の「肉食系」男子観にしても(…私もつい最近までしっかり冒されていたのだが)よく考えてみると特殊な人たちによる異常な人生観/世界観。そもそも音楽(特にクラシック音楽)なんかに人生を学んだりしちゃいけないのだと(もはや完全に手遅れながら)しみじみ思う今日この頃。 

・・・

夜は、ピアニストの中澤圭奈さんと、彼女が書いた修士論文「作曲家吉松隆の人生と音楽〜プレイアデス舞曲集の考察を交えて」を肴に寿司屋で一杯。 

人生や、月は東に 日は西に 音楽だけが真ん中に

2019年3月10日 (日)

サイバーバード協奏曲@TRIO版その後

Cb3_2〈サイバーバード協奏曲〉トリオ版(saxophone, piano & percussion)のスコアようやく仕上がる。

ピアノ・リダクション版(2015)を制作した後「これにパーカッションを加えて演奏したら面白いかも知れない」と口を滑らせたことから、瓢箪から駒で昨年舞台披露。その演奏を元にパーカッショニスト山口多嘉子サンの監修を得て「〈公式〉トリオ版」を作成することになった。

最初は、パーカッションのパート譜だけ添付すれば済むかと簡単に思っていたのだが、ピアノパートも微妙な修正が必要になり、結局スコアごと書き直すことに。元々、須川展也/小柳美奈子/山口多嘉子の三氏ありきで生まれた曲でもあり、そもそもの原点に戻ったような(というより、こちらの方が完成形?のような)気がしないでもない。

最終的なチェックが済み次第、ASKS.orchで公開/出版(楽譜はスコアにソロ譜とパーカッション譜付)の予定。

追記:3/16 ASKS.orchより販売開始。スタディスコア(電子版PDF/印刷製本版)および演奏用パート譜付きセット(同)。

2019年2月28日 (木)

エルガーとヴォーン=ウィリアムス

Elgarvw

FM「ブラボー!オーケストラ」3月分2本の収録のためNHK605スタジオへ。

3月10日(日)放送分は、ヴォーン=ウィリアムス「グリーンスリーヴス幻想曲」、エルガー「チェロ協奏曲」(vc:辻本玲)ほか。

3月17日(日)放送分は、モーツァルト「魔笛」序曲、交響曲第41番〈ジュピター〉ほか。演奏は円光寺雅彦指揮東京フィル。 いずれも2019年2月2日座間市で行われた番組の公開収録から。

最初の一本は、個人的に大好きなイギリス近代もの。特に「グリーンスリーヴス幻想曲」は高校のオーケストラ部(ワグネルソサイエティ)に入って最初に練習した思い出の曲でもある。中間部に不思議なメロディが出て来て、それが凄く印象的なのだが、後年(1980年代)キース・エマーソンが「タッチ&ゴー」という曲のイントロで朗々と鳴らしていて驚いた。「なんと、まあマニアックな!」と思ったら、実はイギリスでは結構有名な古謡(Lovely Joan。採譜はヴォーン=ウィリアムス)なのだそうだ。

もうひとつちなみに、 エルガー(写真右)は犬好きで、ヴォーン=ウィリアムス(写真左)はネコ好き。その違いは音楽の性格にも表れているような気が…しないでも無い。

余談ながら、モーツァルト最後の交響曲が「41番」という一見平凡そうに見える数なのが昔から不思議だった。ところが、数学マニアの知人に言わせると「41は素数。しかも13番目の素数なので、素数番目の素数=スーパー素数」なのだそうだ。なるほど。では、これからは〈ジュピター〉ではなく交響曲第41番〈スーパー素数〉と呼ぶことに(笑

2019年2月 5日 (火)

らららクラシック@フォーレ

Lalalacla_2NHK 112スタジオでETV「らららクラシック」の収録。司会:高橋克典さん、牛田茉友さん。今回取り上げるのは、フォーレの「レクイエム」。

この曲、レクイエムでありながら異様に優しく軽やかで美しい。しかし、そのシンプルさの裏には、曲の成立や背景などを巡って色々なものが絡み合っていて奥深い。カトリックの(怖い死を描く)「死者のためのミサ曲」に対して、どこまでも優しく簡素で私的/詩的な(もはやプロテスタント的と言ってもいい)視点で書かれた(実は異形の)「レクイエム」と言ってもいいのかも知れない。

Lalala19a_2さらに、この曲を起点にして、フランス近代の精緻な和声感・中世ルネサンスの旋法的響き・簡素でジャズ風にも聞こえるコード進行・ミニマルミュージックにも通ずるようなアルペジオを繰り返す陶酔感・東洋の死生観とも矛盾しない楽園/極楽の響き…などなど色々なものが聞こえることにも気付く。こんなにも簡素で・音数が少なく・私的で・全てを切り詰めた音楽なのに…カトリックやプロテスタントの枠を超え、過去から未来・西洋から東洋に広がる大きな視座を感じる。不思議な曲だ。…というようなお話を30分。

放送は、3月22日(金)21:30〜22:00
再放送 3月28日(木)10:25〜10:55…の予定。

2019年1月22日 (火)

7番か8番か9番か

Moscrosa_2FM「ブラボー!オーケストラ」2月分2本の収録にNHK403スタジオへ。

2月3日(日)放送分は、前半にモーツァルト:フルートとハープのための協奏曲(fl:工藤重典、hp:山宮るり子)三ツ橋敬子指揮東京フィル@2018年7月6日第10回平日の午後のコンサートより。後半は大谷康子さんのヴァイオリンで、チャルダッシュ、タイスの瞑想曲、チゴイネルワイゼン。渡邊一正指揮東京フィル@10月1日第11回平日の午後のコンサートより。

2月10日(日)放送分は、ロッシーニ:歌劇「セヴィリアの理髪師」序曲、シューベルト:交響曲第8(9)番〈ザ・グレート〉。バッティストーニ指揮東京フィル@2018年11月21日第121回東京オペラシティ定期より。

Nomiya2ひさしぶりに〈ザ・グレート〉を堪能。ただ、未だにシューベルトのこの大ハ長調交響曲を〈第8番〉と呼ぶのに違和感がある。そもそもシューベルトが生前書き残していた交響曲は6曲。それが死後10年ほどして机の上に未発表の交響曲のスコアが残されているのをシューマンが発掘し、メンデルスゾーンが初演。直前の6番と同じハ長調だったので6番を「小さい方」この曲を「大きい方(ザ・グレート)」と呼ぶことになった。この時点では《交響曲第7番》である。

ところが、さらに30年ほどして、埋もれていた〈未完成の交響曲(ロ短調)〉の楽譜が見つかる。7番の後に見つかった遺作なので《交響曲第8番:未完成》ということになった。しかし研究の結果、この曲は最後の交響曲より前の25歳頃に書かれたことが分かり、28歳で書かれたグレートの方が番号は後、ということで《第9番》となった。この方が最後の交響曲として座りがいいし、単なる「大きい方」という呼称も「偉大な(ザ・グレート)」な感じがして悪くない(そもそもシューベルト自身がフィナーレに「第九」の主題を紛れ込ませているほどだし)。というわけでLP時代は《交響曲第8番:未完成》《交響曲第9番:ザ・グレート》として音楽愛好家に親しまれてきた。

…のだが、シューベルトが完成させた交響曲はそもそも(未完成のロ短調を含めて)8つ。ということは交響曲全集を作ると1曲欠番になってしまうわけで、1970年代に国際シューベルト協会が番号を繰り上げ調整し「未完成が第7番、グレートが第8番」としてしまった。CDの時代からの表記はこれに倣うようになったものの、一時は〈第7(8)番:未完成〉〈第8(9)番:ザ・グレート〉とかなり混乱した表記が見られたし、解説する側も心の底で「余計なことしやがって!」と不満垂れつつ…「8番なんですが、前は9番で、元々は7番と呼ばれていて…」と説明したものである。いや、これはこれから先も(この曲が演奏される限り)延々続くのだろうけれど。

ちなみに、バッティストーニ氏の今回の演奏は、速めのテンポでこの曲の「天国的な長さ(冗長さ)」をスッキリ整理し、マーラーやシベリウスにも通ずるような乱反射する色彩とロマンを聴かせ、なかなか見事な演奏。こういう演奏を聴くと「第8番」っぽい感じがしないでもない。なぜだろう。

Nomiya

2018年12月10日 (月)

羨ましい作曲家たち

RssFM「ブラボー!オーケストラ」2本の収録にNHK 401スタジオへ。

12月16日(日)放送分は、ロッシーニ「ウィリアムテル」序曲、ベートーヴェン交響曲第7番。渡邊一正指揮東京フィル(2018年10月1日第11回平日の午後のコンサートより)

そして来年1月13日(日)放送分が、ロッシーニ「アルジェのイタリア女」「チェネレントラ」序曲@バッティストーニ指揮東京フィル(11月12日第121回オペラシティ定期より)。サン=サーンス交響曲第3番「オルガン付き」ミョンフン指揮東京フィル(10月5日第911回サントリー定期より)

古今の大作曲家たちには「彼らのような才能が欲しい・彼らのような音楽を書きたい」と憧れることはあっても、「彼らのような人生を歩みたい」と思うことは極めて少ない。素晴らしい音楽と引換えの罰ゲームのような人生がほとんどだからだ。

そんな中で「幼少時から神童と称えられ、青年期には人気作曲家として名を成し、奥さんにも子供にも経済的にも社会的にも恵まれて巨匠となり、悠々自適な晩年を過ごしてそこそこ長生きをする」タイプも稀に存在する。ロッシーニとサン=サーンスはその代表格かも知れない。

特に、20歳頃から年に4つも5つもオペラを書き飛ばして時代の寵児となり、人気絶頂の三十代後半でさっさと引退し、残りの人生はグルメ&美食三昧。それでも70代後半まで長生きしたロッシーニは「せめてなりたや」の憧れレベル。
同じく神童から巨匠になり、ピアノとオルガンの達人にして詩や絵から数学・天文学まで玄人はだしだったというインテリ博学のサン=サーンスも捨てがたい。もう何もかも手遅れだが・・・

2018年11月27日 (火)

懐かしのクラシック

PhotoFM「ブラボー!オーケストラ」2本の収録にNHK501スタジオへ。今回は「東京フィル(休日/平日)午後のコンサート」からクラシック名曲小品を集めた2回。

12月9日(日)放送分は、休日の午後のコンサート第77回(2018年9月9日)から、スッペ「詩人と農夫」、ボアエルデュー「バグダッドの太守」、シュトラウス「ウィーンの森の物語」、R=コルサコフ「スペイン奇想曲」ほか。指揮:円光寺雅彦さん。

新年1月6日(日)放送分は、平日の午後のコンサート第10回(2018年7月6日)から、メンデルスゾーン「結婚行進曲」、チャイコフスキー「花のワルツ」、ビゼー「アルルの女」第2組曲、ワグナー「タンホイザー」序曲。指揮:三ツ橋敬子さん。

いずれも、むかし(子供の頃)音楽の時間・給食の時間・名曲ソノシート・などで無理やり聞かされた…もとい、楽しく聞き親しんだ「懐かしの」クラシック。
新春放送回は(なんと結婚行進曲で始まる!)「愛」にちなんだ4曲だが、幸福な響きの「花のワルツ」のあと、アルルの女(奔放な愛人と貞淑な許嫁の間で悩む純情男が最後は自殺)、タンホイザー(純粋な愛と快楽の愛との間を彷徨う主人公が最後は恋人共々悶死)と、愛が徐々に崩壊してゆく怖い構成になってしまった。

2018年11月16日 (金)

耳の遺言

Photoあんさんぶる誌の連載(音楽についてのあれやこれや)で「耳」について考える。

現在のように高性能かつ複雑になっている聴覚器官を電子顕微鏡的に分析しても「音楽とは何なのか?」は結局よくわからない。それはネコが最新のiPadをバラバラに分解しても「何がどうなっているのか」分からないのと同じで、その一台を存在させるに至ったプログラムやネットワークや現代社会のプロセスを理解できないからだ(それはカレーライスをいくら科学的に分析しても、最も重要なことである調理のプロセスや食材の性質そして食の伝統などは分からないのに似ている)。

そろそろ地球をAI(人工知能)に譲らなければならない雰囲気の今日この頃、死にかけた最後の人類の枕元でロボット氏に「結局、音楽ッテ何ダッタンデスか?」と問われたとき、それらしいアルゴリズムくらいは遺言で残したいような気がするのだが。そういう研究はどこかで誰かがしているのだろうか。

2018年11月10日 (土)

左手ピアノ公開オーディション

Kanazawalpaa金沢の石川県立音楽堂で開かれた〈左手のピアニストのための公開オーディション〉に審査員の一人として参加してきた。

もともとは舘野泉さん・一柳慧さん・末吉保雄さんのお三方による審査だったのだが、この夏に末吉さんが亡くなられたため急遽代理の審査員を務めることになった次第。
審査員…という役は全てお断りしてきた(なにしろ音楽界で一度もコンクールや賞の審査に通ったことがない独学の食わせものの身なので後ろめたいのである)のだが、舘野さんの要請で文字通り「押っ取り刀(&日帰り)で」駆けつけることに。

今回のオーディションの参加者は、実際になんらかの身体的事情で左手のみの演奏をしている方ばかり。
Kanazawaそれぞれ個性的な音楽を持ったハイレベルの方々が集まったが、その中から、車椅子の身で圧倒的な演奏を聴かせた月足さおりさんと、私の「タピオラ幻景」や協奏曲「ケフェウスノート」なども既に演奏している瀬川泰代さんの二人が最優秀賞に選ばれ、来年春の金沢音楽祭に協奏曲のソリストとして招かれることになった。

2018年10月22日 (月)

亡き子は天に遊ぶ

MahlergFM「ブラボー!オーケストラ」2本の収録にNHK605スタジオへ。

今回は、2018年10月13日の神奈川フィルみなとみらい定期から、マーラーの〈交響曲第4番〉と権代敦彦〈子守唄〉の2曲を(時間の関係で)2回に分けて収録。

11月4日(日)放送が、マーラー〈交響曲第4番〉の前半第1楽章から第3楽章まで。
そして(ちょっと離れて)12月2日(日)放送が、後半の第4楽章(ソプラノ:市原愛)と〈子守唄〉。演奏は川瀬賢太郎指揮神奈川フィル。権代作品はメゾソプラノ:波多野睦美、ピアノ:野田清隆、横須賀芸術劇場少年少女合唱団。

〈子守唄〉は、大阪の池田小事件で犠牲になった娘を偲ぶ母親の手記と旧約聖書やミサ曲の典礼文を交錯させた感動的な作品。この現代版「亡き子をしのぶ歌」を交響曲第4番の〈天上の生活〉で受けるという構成(…なのだが、放送の都合で2回に分割され、しかもひと月近く間が開いてしまうという仕様に)

それにしても、このうえなく美しい響きの中で「天国はいい処だよ」と歌われるマーラーの曲は…怖い。何の苦しみもなく安らかで楽しい世界…それは「死」の向こうにしかないからだ。…などという聴き方をすること自体、マーラーの毒に取り込まれている証拠なのだろうけれど。

より以前の記事一覧